「発毛」「育毛」「養毛」の表現

ヘアケアに関しては、「発毛」「育毛」「養毛」などいくつかの表現があります。

「発毛剤」「育毛剤(養毛剤)」の違いを知ることでNG表現が理解できます。

発毛剤 → 「生えていない毛を生やす」血流を促進させ、髪の毛を生成する毛包を活性化させて新しい毛を生やす薄毛の治療(医薬品のみ)
育毛剤 (養毛剤)→ 「生えている毛を強くする」清潔な頭皮環境を保ち、今生えている髪の毛をハリのある丈夫なものに育てる抜け毛の予防(医薬部外品のみ)

外用剤(スキンケア用品)では医薬品、医薬部外品、薬用化粧品、一般化粧品でそれぞれ記載可能な表現が異なります。
商品の形状も確認して、正しく表現しましょう。

目次

医薬品の「発毛」「育毛」「養毛」の表現のNG

医薬品は疾患や症状を治療・改善するもののため、薄毛を治療・改善する意味の「発毛」を表現できます。
商品は「発毛剤」として販売されています。

頭皮の中の毛根細胞に直接働きかけて新しい毛髪を発毛させる成分、ミノキシジルが配合されているもの(2012年1月現在)のみが医薬品として壮年性脱毛症の方に対して”新しい毛髪の発毛と成長を促す効果”があると認められています。
要するに壮年性脱毛症の治療ができるということです。

ミノキシジルが配合されて医薬品として認定を受けている商品が医薬品となり、”抜け毛や薄毛に効果がある””今ない髪の毛が生える、毛量が増える”ことを表現できます。

ただし、白髪に効果はありません。
白髪へのアプローチについては表現することはできません。

❌医薬品の「発毛」「育毛」「養毛」のNG表現例

白髪が生えなくなる
白髪予防
黒い毛が生える

液剤、エアゾール剤の「発毛」「育毛」「養毛」の表現のNG

一般的に「トニック剤」と呼ばれる商品です。
液体を塗ったり、スプレー等で吹き付ける形状のものです。

液剤、エアゾール剤の医薬部外品の「発毛」「育毛」「養毛」の表現のNG

医薬部外品は悩みの予防や現状の維持が目的とされています。
よって医薬部外品の育毛剤(養毛剤)の使用目的は”脱毛の予防及び、育毛”となります。

表現できる効能効果は以下になります。

育毛
薄毛
かゆみ
脱毛の予防
毛生促進
発毛促進
ふけ
病後・産後の脱毛
養毛

医薬部外品の育毛剤の効能効果は頭皮の血行を促したり、栄養を与えたりして、頭皮の健康を保ち、抜けにくい毛髪を育てること、またそれによって脱毛の予防をすることです。
あくまでも対象の方は健常者であり、医薬品で表現できる”今ない髪の毛が生える、毛量が増える”ことは表現できません。

❌液剤、エアゾール剤の医薬部外品の「発毛」「育毛」「養毛」のNG表現例

脱毛に(予防でなければならない)
薄毛、抜け毛
発毛
傷んだ髪を修復
髪を太くする
円形脱毛に
脱色、白髪予防
かゆみ
生やす
生える
生えない
生えてこない
毛が太くなる
毛が濃くなる
毛を増やす
新しく
よみがえる
生まれ変わる
薄毛の方専用
ハゲ専用
がん
脱毛症
抜毛症
びまん性脱毛症
円形脱毛症
バセドウ病
薄毛は恥ずかしい
ハゲ

液剤、エアゾール剤の一般化粧品の「発毛」「育毛」「養毛」の表現のNG

医薬品でも医薬部外品でもない液剤、エアゾール剤は化粧品として販売されています。

化粧品の効能の範囲内のみ表現することができます。

頭皮、毛髪に関する効能は以下のものです。

頭皮、毛髪を清浄にする。
香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
頭皮、毛髪を健やかに保つ。
毛髪にはり、こしを与える。
頭皮、毛髪にうるおいを与える。
頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
毛髪をしなやかにする。
クシどおりをよくする。
毛髪のツヤを保つ。
毛髪にツヤを与える。
フケ、カユミがとれる。
フケ、カユミを抑える。
毛髪の水分、油分を補い保つ。
裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
髪型を整え、保持する。
毛髪の帯電を防止する。

この範囲を超えないように表現しましょう。

❌液剤、エアゾール剤の一般化粧品の「発毛」「育毛」「養毛」のNG表現例

薬効成分、薬用
薄毛、抜け毛
発毛、発毛促進
育毛、育毛促進、育毛環境を整える
養毛
髪が増えた
髪質も変わる
髪が伸びる
産毛が太くなる、産毛が長くなる
傷んだ髪を修復
痛んだ髪が回復
毛髪補修成分が〜
本質から髪質改善
健康な髪が甦る
毛髪が生まれ変わる
毛包細胞を増殖させる
毛包形成を活性化
頭皮環境を整えて豊かな髪に育てる
育毛環境
血行をよくして育毛、発毛を促す
育毛シャンプー
薄毛が気になるところに
脱色、白髪予防
かゆみ

シャンプー、リンスの「発毛」「育毛」「養毛」の表現のNG

薬用化粧品のシャンプー、リンスの「発毛」「育毛」「養毛」の表現のNG

薬用化粧品のシャンプーとリンスは表現できる効能効果があります。
承認された効能効果の範囲内で表現することが原則です。
確認をしましょう。

薬用化粧品のシャンプーの効能効果

ふけ・かゆみを防ぐ。
毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ。
毛髪・頭皮を清浄にする。
毛髪をすこやかに保つ。※
毛髪をしなやかにする。※
※二者択一

薬用化粧品のリンスの効能効果

ふけ・かゆみを防ぐ。
毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ。
毛髪の水分・脂肪を補い保つ。
裂毛・切毛・枝毛を防ぐ。
毛髪・頭皮をすこやかに保つ※
毛髪をしなやかにする。※
※二者択一

❌薬用化粧品のシャンプー、リンスの「発毛」「育毛」「養毛」のNG表現例

薄毛、抜け毛
発毛、育毛、養毛
傷んだ髪を修復
髪を太くする
円形脱毛に
脱色、白髪予防
かゆみ

一般化粧品のシャンプー、リンスの「発毛」「育毛」「養毛」の表現のNG

医薬品でも薬用化粧品でもないシャンプー、リンスは化粧品となります。

化粧品の効能の範囲内のみ表現することができます。

頭皮、毛髪に関する効能は以下のものです。

頭皮、毛髪を清浄にする。
香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
頭皮、毛髪を健やかに保つ。
毛髪にはり、こしを与える。
頭皮、毛髪にうるおいを与える。
頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
毛髪をしなやかにする。
クシどおりをよくする。
毛髪のツヤを保つ。
毛髪にツヤを与える。
フケ、カユミがとれる。
フケ、カユミを抑える。
毛髪の水分、油分を補い保つ。
裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
髪型を整え、保持する。
毛髪の帯電を防止する。

この範囲を超えないように表現しましょう。

❌一般化粧品のシャンプー、リンスの「発毛」「育毛」「養毛」のNG表現例

薬効成分、薬用
薄毛、抜け毛
発毛、発毛促進
育毛、育毛促進、育毛環境を整える
養毛
髪が増えた
髪質も変わる
髪が伸びる
産毛が太くなる、産毛が長くなる
傷んだ髪を修復
痛んだ髪が回復
毛髪補修成分が〜
本質から髪質改善
健康な髪が甦る
毛髪が生まれ変わる
毛包細胞を増殖させる
毛包形成を活性化
頭皮環境を整えて豊かな髪に育てる
育毛環境
血行をよくして育毛、発毛を促す
育毛シャンプー
薄毛が気になるところに
脱色、白髪予防
かゆみ

【注意】まつ毛の「発毛」「育毛」「養毛」の表現

上記はあくまでも頭皮、毛髪に対するものであり、まつ毛関連商品については効能効果に含まれません。

薬機法に抵触しない表現でも、その表現に対するエビデンスがないと景品表示法に抵触する可能性があるので注意しましょう。

健康食品の「発毛」「育毛」「養毛」の表現のNG

健康食品(サプリメント)では効能効果について謳うことができません。
体に作用する表現はNGです。
肌の具体的な変化について表現できません。

機能性表示食品については、その機能性が受理されている内容についてならば表現できます。

健康食品は景品表示法や健康増進法に抵触するケースも多いので必ず確認しましょう。
⇒ 健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について|消費者庁(冊子PDF)

❌健康食品の「発毛」「育毛」「養毛」のNG表現例

髪、毛髪、ヘア
ヘアケア
発毛を促す
太く元気な毛髪が生える
毛母細胞を活性化させる
育毛する
髪の毛が伸びる
髪のキューティクルを補修する
白髪を改善する
脱毛症