薬機法を知っておくこと
WEBコンテンツを作成しているライター、ブロガー、レビュアー、アフィリエイターに強く関係する薬機法の条文は、第66条です。
(誇大広告等)
引用元:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000145
薬機法 第66条
何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
2.医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。
3.何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。
目次
WEBコンテンツでも薬機法違反になる
薬機法は「広告、記述、流布してはならない」と掲げています。
この場合の広告とは、以下の「広告の3要件」を満たすものを指します。
広告の3要件
1)顧客を誘引する(顧客の購入医薬を昂進させる)意図が明確であること。
2)特定医薬品等の商品名が明らかにされていること。
3)一般人が認知できる状態であること。
引用元:薬事法における医薬品等の広告の該当性について(平成10年9月29日厚生省医薬安全局通知)
多くの場合、WEB上のコンテンツは、この「広告の3要件」を満たします。
- 顧客を誘引する意図が明確であること
薬機法関連商品のWEBコンテンツを作成・表示する際に、その商品を広告したり売ったりする意図があれば、これを満たします。 - 特定医薬品等の商品名が明らかにされていること
販売目的でWEBコンテンツを作成する場合、商品名は明示されていることがほとんどです。そのため、これも満たします。 - 一般人が認知できる状態であること
WEBコンテンツは、URLを入力すれば誰でも見ることができます。そのため、これも満たします。
なお、SNS等での投稿も、この「広告の3要件」によって広告かどうかを判断されます。宣伝する目的の投稿の場合は、SNSでの投稿も薬機法上の「広告」と判断されることがほとんどです。
個人の記事やSNSでも薬機法違反になる
また、条文には「何人も」と記述されています。
これは「何人(なんぴと)規制」と呼ばれる重要な記述です。
例えば商品が化粧品であれば、薬機法違反広告で処罰されるのは、
- 化粧品メーカー
- 広告代理店
- ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)
- アフィリエイター
- ライター
- アドネットワーク提供会社
- Webメディア運営会社
などの立場の個人や法人です。
その広告に携わった全ての人が処罰の対象になりえます。
アフィリエイターやライターも、処罰の対象になりえます。
どのように見つかるのか
「自分は捕まらない」と考えてしまう人も多いと思います。実際、現時点(2021年4月)では薬機法に違反した広告がたくさん存在していますから、そう考えることは無理もありません。
参考までに、どのように薬機法違反が見つかるのか、2つのパターンを挙げます。
1. 行政のパトロール
厚生労働省、地方自治体、警察などは、行政の業務として薬機法違反の広告がないかパトロールを行っています。そのパトロールで見つかれば、指導や、逮捕を含めた行政処分を下される可能性があります。
2. 同業者の通報
薬機法には、違反広告の通報窓口があります。
医薬品医療機器等法違反の疑いがあるインターネットサイトの情報をお寄せください|厚生労働省
この窓口へ同業者から通報が行われ、それを元に指導される例も多いようです。いわば「チクられる」ということです。
同業者からの通報が多いのは、当然と言えます。
法律を守っている競合他社からすると、同業者が違法表現で儲けていれば、経済的にも損をしますし、感情的にもイライラするでしょう。通報するのは自然な行動です。
薬機法違反はリスクが大きい
薬機法関連商材は一般的に粗利が大きいため、違法な表現をしてでも売ろうとする事業者が発生しがちです。
違法な表現が発生する悪い土壌がある、と言えます。また、行政による調査が継続的に行われ、通報の仕組みも整っています。薬機法関連のコンテンツは、他のWEBコンテンツよりもリスクが大きいと言えます。
コンテンツ作成者の方は、自分の身を守るために、薬機法の知識をつけましょう。
メーカー・ECの立場の方は、自社が違法な事業者にならないように、薬機法の知識をつけましょう。
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ワンポイントレッスン
「逆引き薬機法」について
このサイトは、ご自身で薬機法について学び、判断して違反にならないコンテンツが作れるようになるきっかけのサイトです。
薬機法等の法令や通知の中からWEBライティングに関わる部分を取り上げていますが、これが全てではありません。 また、わかりやすく簡潔に記載しているため、内容や表現が細部まで行き渡っていない部分があることをご了承ください。
表現例については、これまでの判例などから特にWEBライティングの際に使いがちなものを挙げています。 様々な資料や判例などに基づいて掲載しており、あくまでも一例です。必要に応じて必ず確認をしてください。
薬機法は法律ではありますが、都道府県や担当者によって解釈が大きく異なる場合があります。法律改正や関係省庁からの通知発令前であっても、時流に合わせて違反基準が変わることもあります。
本サイトの内容に沿ってライティング等を行ったにも関わらず違反となってしまった場合、本サイトでは一切責任を負いかねます。専門的な疑問や、最新の情報等については必ずご自身で確認していただくよう、お願いいたします。
このサイトは2019年9月現在の情報に基づいて作成しています。
※ 医薬品、医療部外品、医薬部外品、化粧品、医療機器および再生医療等製品を合わせて「医薬品等」と表記しています。また、「化粧品」を医薬部外品の薬用化粧品と区別するために「一般化粧品」と表記します。
※ 食品のうち医薬品、医薬部外品、病者用食品、保健機能食品、そして一般的は食料品以外のものを「健康食品」と表記しています。